うちのネコ2

 一昨年3月に、長年飼っていた2匹のネコ
のうち雄1匹(「うちのネコ」参照)を亡く
してから覚悟はしていましたが、雌の方も
今年5月4日に亡くなってしまいました。19
歳9ヶ月と20年近く生きていましたから遠く
ない将来そのときが来ると思いましたし、
今回は最後までずっと一緒にいることがで
きましたので後悔はありません。

平成18年7月22日撮影
 ネコの20年は人間の年齢に換算すると情
報元によって異なりますが96歳から115歳に
相当するらしいですからかなりの高齢です
。獣医の先生によるとこのくらいの年齢に
なるとボケて、ところ構わず粗相をしたり
食事をしたばかりなのにすぐに餌をねだっ
たりするらしいのですが、この子はそのよ
うなこともなく元気で世話も楽でした。

平成2年2月25日撮影
 この子は生後1年くらいまで上の写真のよ
うに頭のてっぺんだけ毛が黒かったのです
が、次第に黒い毛が少なくなり2歳ぐらいに
は黒い毛が全くなくなり下の写真のように
真っ白のネコになりました。また、一般的
にはボブテールと呼ばれていますが生まれ
つき尻尾が短く成猫になっても3cmくらいし
かありませんでした。

平成17年11月29日撮影
 この子は生後1年より前に避妊手術を受
けた以外は全く病気ををせず殆ど動物病院
に行くこともなく餌も乾燥飼料と煮干しが
好きで、これだけ高齢になっても歯が丈夫
でつい最近まで好んでそのような硬い餌を
食べていました。もう一方のネコが好き嫌
いが激しかったのに比べると本当に手が掛
からない猫でした。

平成7年頃撮影
 それが今年の3月8日ぐらいから殆ど食べ
なくなり元気もなくなりましたので、3月10
日に慌てて動物病院に連れて行きました。
点滴を受けその日からレトルトパックの柔
らかい餌に変えてだいぶ体力は回復しまし
た。しかしもう以前のように乾燥飼料や煮
干しを食べることはできなくなっていまし
た。柔らかい餌も食べられなくなってしま
ったら今度こそ食べさせることができるも
のがなくなってしまい困るなと思い何度か
乾燥飼料や煮干しを与えてみましたが、や
はり食べることはできませんでした。

平成18年7月17日撮影
 恐れていた通りレトルトの餌も食べなく
なり横たわったまま殆ど動かなくなってし
まい4月23日動物病院に連れて行きましたが
、もう非常に危険な状態で、点滴による栄
養補給以外に為す術なく今日明日あたりが
山と言われました。なんとか危険な状態は
乗り越えましたがその日から毎日病院に連
れて行き点滴を受け、うちでは数時間毎に
注射器を口に入れてポカリスエットを飲ま
せる日々となりましたが、まだこの時には
また再び歩けるようになるものと信じてい
ました。しかし4月27日点滴を受けに行った
際に病院の先生に、もう歩けるようにはな
らないだろうと言われてしまいました。
 この頃にはトイレに行くことも上体を起
きあがることもできなくなっていましたの
で寒くいないように暖房プレートの上にペ
ットシートを敷いたベッドに寝かせ、風が
入らないようにするため座布団状のクッシ
ョンを普段この子が愛用していた市販のキ
ャットハウスの内側に張ってやりました。

平成18年7月20日撮影
 その日の夜、午前2時頃私が寝ていますと
ガタガタ音がして見に行くと、なんと残っ
ている力を振り絞って頑張ってキャットハ
ウスから出てきて20cmの段差を降りてトイ
レに行こうとしてトイレの前にふらつきな
がらも立っているところでした。立ち上が
ることはできないと言われていたのが歩い
て段差まで降りたのです。さすがにトイレ
の段差は乗り越えられないと判断し、抱い
てトイレの中に入れてあげたところ大量の
おしっこをしました。よほど我慢していた
のでしょう。ペットシートを敷いているの
ですから、それほどまで頑張ってトイレに
行かなくてもと思いましたが長年の習慣な
のでどうしてもトイレでしたかったのでし
ょう。

平成7年頃撮影
 その翌日も夜中にキャットハウスから出
てきてふらついて柱に腰をぶつけながらも
、元気な頃に私がいつも膝の上で抱いて寝
かしていた椅子のところまで歩いてきまし
たので抱き上げてしばらくの間膝の上で寝
かしてあげました。私も睡眠不足ですがそ
んなことを言っている場合ではありません
。結局膝の上で寝かすのはこれが最後にな
ってしまいました。膝の上で寝かせてから
1時間ぐらい経って突然激しく痙攣しはじめ
ました。体をさすってやって10分ほどで落
ち着きましたが無理して歩いたのが悪かっ
たのでしょうか、その日から横たわったま
ま上体を上げることはなくなりました。
 この子は右を下にして寝るのが好きでし
たが動けない状態では右前脚と右後脚が痺
れて壊死してしまうのではないかと思い何
度か向きを変えましたが、体力や精神的に
も消耗する危険性もありますのではたして
それが必要だったのかどうかはわかりませ
ん。

平成18年9月14日撮影
 4月23日から毎日病院で点滴を受けていま
したがゴールデンウィーク中も先生が点滴
をしてくれると言ってくださいましたので
非常にありがたかったです。
 5月4日午前10時頃病院に連れて行くため
キャリーボックスに入れると大量の血を吐
きました。さすがに苦しそうで、とりあえ
ず吐瀉物を拭いて病院へと急ぎました。病
院へ行って処置を受けると落ち着きました
ので連れて帰ってきましたが今日はずっと
傍で看ていてやろうと思いました。
 その日の午後4時頃静かに息を引き取りま
した。危険な状態と言われてから約2週間、
大変苦しかったでしょうが生きようとよく
頑張りました。暖房の利き具合は適正だっ
ただろうか、体の向きを変えたり膝の上に
寝かせたりしたのはかえって良くなかった
のではないかとも考えましたが、最後は安
らかな顔でしたのでそれだけが救いです。
 翌日、一昨年ももう一匹のネコの時にお
世話になったペット専用の葬祭の方に来て
いただきネコシャツと一緒に火葬いたしま
した。四十九日が済んだらもう一方の子と
同様に葛岡霊園に埋葬しようと思います。

平成元年8月29日生まれ
平成21年5月4日永眠
享年19歳9ヶ月

(2009.5.20)