CAD/CAM冠とは?

 CAD/CAM冠とは歯の形をスキャンしたデータを
コンピュータに入力し、ハイブリッドセラミック
と呼ばれる歯の色に似せた審美的材料のブロック
をミリングマシンという機械を用いて歯の形に削
り出したものです。

 最近話題になっている3Dプリンターと似ていま
すが、3Dプリンターが材料を少しずつ盛り上げて
成形していくのに対してこちらは逆に塊から削り
だして成形します。
 3Dスキャナや3Dデザインソフトなどで形態デー
タを作成するまではどちらも一緒です。

 今回健康保険適応対象になった歯科材料はハイ
ブリッドセラミックで当院で自費診療で用いてい
るエステニアに近い材質のものです。

 従来歯科補綴物は歯科技工士が手技により製作
していたため、その技工士の技量や癖等により形
態や強度、審美性が左右されましたがCAD/CAM冠
はその全てをコンピュータが決めてしまいますの
で均一の品質で補綴物が出来上がります。


CAD/CAM冠の材料ブロック

完成したCAD/CAM冠



 今回健康保険適応対象となったのは以下の通り
です。
保険適応にはかなり複雑な条件がありますので正
確な適否は歯科医師またはスタッフにお訊ねくだ
さい。


健康保険対象となるの
は?

小臼歯(歯番で言うと4番5番)が適応対象で大
臼歯や前歯は対象になりません。

単独の歯が適応対象で連結冠やブリッジは対象
になりません。

歯全体を被せるタイプが適応対象で一部被覆冠
やインレーは対象になりません。

間接法(型を採って模型を作る)で製作された
ものであること。

2年以内にその歯に保険で被せ物を入れていな
こと。

・薬事法で保険適応の認可を受けた材料、機材で
製作されたものであること。

・厚生局の施設基準に合致した歯科技工所、歯科
医院で製作、装着されたものであること。

材料上の制限

 金属と比較して強度が低く脆いので以下の制限
があります

・極端な噛む力が掛からないこと(歯軋り、噛み
しめの癖なども含みます)。

・対合する歯が極端に尖っている等周囲の歯の条
件が悪くないこと。

・強度を維持するため所定の厚みを確保できるこ
と。

・義歯のバネが掛かる歯は極力避けます。


※平成26年10月1日当院開始時の基準に従って記
載しています。今後適応対象は変更になる可能性
があります。


※追記:平成28年4月1日に金属アレルギーの患者
さんのみ大臼歯も適応対象になりました
(金属アレルギーを示す医科よりの紹介状が必要
です)。

※追記:平成29年12月1日から条件付きで下の第
一大臼歯が保険適応になりました。
厚労省の適応条件通達は以下の通りです。
「上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し、左右の
咬合支持がある患者に対して、過度な咬合圧が加
わらない場合等の下顎第一大臼歯」
ということですから上下とも奥歯が殆ど揃ってい
て各々がしっかり噛み合っていないと適応になら
ないということです。
 また被せてから2年以内に壊れてしまった場合
も保険で再製作はできませんので噛む力が大きく
掛かる場合にも避けた方が良いでしょう。

CAD/CAM冠はどうやって作るの?