うちのネコ

 3月10日に、平成元年から飼っていたネコ雄雌2匹のうち雄の方が亡くなりました。双方とも雑種のネコですが室
内飼いだったためか非常に長生きで人間の歳にすると90歳以上だそうです。生き物を飼っているのですからいつ
かは死を迎えるのは当然ですし大変高齢であるためそんなに長くない将来その日がやってくるものと覚悟はしてい
ましたが、前日まで元気で1メートル以上の高さまでジャンプしていたネコが翌日突然元気がなくなり死んでしまった
ので非常にショックを受けました。

平成18年7月8日撮影
 当日は土曜日でしたが朝診療開始前はまだ元気そうでしたが午前11時頃多少元気がないようでしたのでお腹が
空いているのかと思い餌を与えまた診療に戻りました。土曜日の午前中は混んでいることが多く、この日も午前中
の診療終了時間13時まで様子を看に行くことができませんでした。たまたまこの日は家族が誰もおらず私ひとりし
かいなかったことも運が悪かったと思います。13時の時点ではかなり辛そうで緊急を要する状況で昨年通院してい
た動物病院は午後4時まで休診ですし慌ててネットで動物病院を検索しましたがなかなかこの時間に診療している
ところは見つかりません。そうこうしているうちに様子を看に行ったら既に亡くなっていました。早く気付いてやれな
かったのが残念ですし、死の瞬間に一緒にいてやれなかったのも心残りです。

平成18年7月9日撮影
 当院を開業する5年も前から私が飼っていてもう家族の一員でありその家族の中でも付き合いが長く、もう傍に
いることが当たり前になっていてよく言われるように空気のような存在になっていました。長期間にわたりだんだん
弱っていって死を待つというのも辛いのですが今回のように突然死んでしまうとその辛さに加えて残された者には
強い後悔が残るのではないでしょうか。私も最近のことを思い起こして、死の前日に鳴いていたのを無視せず相手
をしてやればよかったとか、もしかして体が辛いのを訴えていたのを見逃したのではないだろうか、お腹を空かせ
てたんじゃないだろうか、もっとおいしいものを与えてやればよかった、行動範囲や世界の狭い室内飼いははたし
て彼にとってよかったのだろうか、うちで飼われて幸せだったのだろうか等いろいろ考えてしまいます。

平成18年7月8日撮影
 もう一方のネコは何事にも動じず見知らぬ人や家族が近付いても知らん顔で我関せずであまり動き回ったりしま
せん。「私に構わないで。でもご飯はちょうだいね。」という感じです。それに対して先日亡くなったネコは臆病で見
知らぬ人が来るだけで隠れてしまいます。逆に家族には甘えたい方で常にニャーニャー鳴いていました。そのくせ
好奇心は旺盛で自分でドアを開けて家の中のいろんなところに入ってしまいます。またちょっと目を離すとテーブル
の上の人間の食事を食べてしまいます。しかし好き嫌いも激しく乾燥飼料は殆ど食べませんしネコ缶の好みも厳し
くコロコロ好みが変わります。そのため一泊以上の旅行はできませんでした。さらに病気も外飼いのネコに比べる
と少ないとは思いますがもう一方のネコが全く病気やけがをしないのに比べるとよく病院には連れて行っていまし
た。いわゆる手の掛かるネコで、その分接触する機会も多く思い出もいっぱいあります。

平成2年2月22日撮影 うちの2匹のネコ
 浴槽や洗濯機の中に落ちたら危険ですしトイレの水を飲まれても困るので、入られてはまずい場所のドアには開
けられないように人間が使うにも不便ですがいちいち鍵を掛けていましたが、それも必要なくなるんですね。常時
点けていた冷暖房もいらなくなるんですね(もう一方のネコは別の部屋にいます)。食卓の上の料理から目を離して
も誰も持っていかないんですね。食卓の椅子に座ると私の膝の上に乗ってくるネコはもういません。

平成2年8月5日撮影
 3月11日(日)午後1時、ペット専用の葬祭の方に来ていただき私がネコを抱くときに着ていた彼のお気に入りの
通称ネコシャツを掛けてあげて火葬いたしました。火葬を始めたその頃から暖冬と言われた今年では珍しく雪が降
り始め翌日まで降り続け今冬から初めて仙台で3cmの積雪を記録しました。

平成元年8月12日生まれ
平成19年3月10日永眠
享年17歳7ヶ月

(2007.3.14)
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