保温水筒の保温性能テスト

 今回3種類の保温水筒の保温、保冷性能を比較してみました。比較した製品は実容量350ml前後でワンタッチで
蓋が開いて直接口を付けて飲めるものを選びました。直接口を付ける水筒は内部での細菌増殖等衛生面で問題
がありそうですが自分一人がその日のうちに飲み切るという前提であればそれほど問題はなさそうです。しかし夏
場に屋外で人肌程度の温度になった飲み物はちょっと注意が必要かもしれません。
 さて本題のテストですが今回準備した製品は以下の3種類の水筒です
A:デイツーオリジナル・ステンレスワンタッチマグボトル350ml(写真右)
B:サーモス・真空断熱ケータイマグJNL-350 350ml(写真左)
C:象印・ステンレス製真空二重マグボトルSM-PB34-AM 340ml(写真中)



何れの製品も同じ条件での性能表示がなされています。
測定環境 20℃±2℃
保温性能 95℃±1℃から6時間後の温度
保冷性能 4℃±1℃から6時間後の温度

開始時
6時間後
4±1℃
13℃以下
95±1℃
60℃以上
4±1℃
11℃以下
95±1℃
63℃以上
4±1℃
9℃以下
95±1℃
70℃以上
箱に表示された保温保冷性能

 箱に記載されている性能は上記の通りで、実際にこの表示性能が得られているのかもっと長時間でも保温でき
るのかをテストしてみました。
まずお湯や冷水の温度を測る温度計を下の写真の通り2つ準備しましたが、測定に時間が掛かるとその時間の
間にも温度は変化してしまうためより早く測定可能な下の温度計を使用しました。


測定環境 室温はメーカー表示と同じく20℃±2℃以内としました。
保温性能 沸騰したお湯に水を足し95℃にし予め温めておいた水筒に一度満たした後すぐに捨ててもう一度入れ
       なおすということで水筒内部の温度差による誤差が生じるのを避けました。
保冷性能 水道水に氷を足して4℃にし予め流水で冷やしておいた水筒に上と同様に一度満たした後にすぐに捨
       ててもう一度入れなおしました。

開始時
6時間後
12時間後
18時間後
4℃
10℃
14℃
17℃
95℃
61℃
45℃
36℃
4℃
9℃
12℃
15℃
95℃
70℃
56℃
47℃
4℃
9℃
11℃
14℃
95℃
74℃
61℃
52℃
テスト結果

 保温保冷性能はCの圧勝で口径が小さいため@が逃げにくいことによる影響も大きいかと思いますがここまでで
はCの宣伝みたいになってしまいますので、使ってみての短所も挙げておきます。
 まず口径が小さいので普通のサイズの氷が入らないのと注入中に中の量が見えにくいので溢れてしまいやすい
です。それに関連して多く入れすぎると通気口が塞がってしまい飲もうとしても全く出てこなくなる場合がありまし
た。また口金の部分が極端にすぼんでいるので内部の掃除がしにくいです。

 最後に各々の長所も挙げておきます。
・口径が大きく氷を入れやすい A,B
・蓋が分解可能で掃除しやすい B,C
・内部がフッ素樹脂加工してあり汚れや臭いが付きにくい C
・ワンタッチで開く蓋を開けるときに中身が飛び散りにくい機構になっている C
・散らかっている机の上に置いても安定して倒れにくい A,B
・飲み口の穴が大きいため十分な量が出て飲みやすい A,B

後書き
 本来ならタイガー魔法瓶さんも入っていないしもっと多くの機種を比較すべきなのでしょうが、今年の正月の初売
りに500円で買ったAの製品からもっと高い製品なら保温力も高いのではないだろうかという思いつきで始めた企
画なのでご了承願います。
 ちなみにBは1780円、Cは2740円で購入しました。価格相応の性能でしょうか。
 この手の実験というかテストは好きなので機会があったらまた何か実施したいと思います。     (2015.1.28)